目次
このユーザーインタビュー質問集は、よくある11のシーン別に98のオープンクエスチョンを収録し、よく使う深掘り10個を添えたもので、インタビューガイドをより早く書くのに役立ちます。正しい使い方は、選んで書き換えることです。まず今回のリサーチで下す意思決定を明確にし、関連するシーンから5〜8個の質問を選び、【】を自社のプロダクトやシーンに置き換えて回答者にわかる言い方に直し、各質問に深掘りの方向を用意します。全部をそのまま使わないでください。30分のインタビューでは20個のメインの質問は聞ききれず、多く聞くほどかえって深く聞けなくなります。
質問集から質問を選ぶ方法
- まず、リサーチで支えたい意思決定を一文で書きます。たとえば「来四半期にオンボーディングを作り直すかどうか」。そのうえで、どのシーンが必要かを判断します。
- 導入から2つ、締めくくりから2つ、その間のメインのシーンから3〜5個の質問を選び、1回のインタビューのメインの質問は10個以内に抑えます。
- 回答者の言葉づかいに合わせて書き換える:【プロダクト名】【分野】を具体的な名前に置き換え、相手が使わない言葉は削ります。
- メインの質問ごとに深掘りの方向を2〜3個書いておきます。このページの最後にある「よく使う深掘り」から選んでもかまいません。
- まず同僚1〜2人に試しに聞いてみて、誘導しているように聞こえる質問や答えにくい質問は削除するか書き直します。
導入とウォームアップ
導入の質問は、回答者にリラックスしてもらい、背景を話してもらうためのものです。答えそのものは重要ではないので、2〜3個選べば十分です。
- まず簡単に自己紹介をお願いできますか?ふだんはどんなお仕事をされていますか?
- 1日をだいたいどのように過ごしていますか?忙しいのはどの時間帯ですか?
- スマートフォンでいちばんよく開くアプリをいくつか教えてください。
- 【分野。例:家計管理】と聞いて、最初に思い浮かぶのは何ですか?
- 【分野】に関わり始めたのはいつごろですか?
- ふだん【あること】を一緒にしている人は、他に誰がいますか?
- 【分野】のことで、周りの人から相談を受けることはありますか?
- 最近、けっこう頭を悩ませたことはありますか?
利用習慣とシーン
この一連の質問は、回答者の実際の利用の流れを再現するためのものです。漠然とした習慣ではなく、できるだけ直近の特定の1回に落とし込みます。
- 最後に【プロダクト名】を開いたのはいつですか?そのとき何をしていましたか?
- ふだん【プロダクト名】を使うときの流れを、最初から最後まで一通り見せていただけますか?
- ふだんどこで使っていますか?たとえば家、通勤中、職場などですか?
- 使っているとき、ふだん同時にどんなツールやページを開いていますか?
- 1週間のうち、特によく使う日やあまり使わない日はありますか?それはなぜですか?
- あなた以外に、【プロダクト名】であなたが作ったものを見たり使ったりする人はいますか?
- ほぼ毎回使う機能はありますか?
- あることは知っているけれど、一度も使ったことがない機能はありますか?
- もしある日【プロダクト名】が開けなくなったら、どうしますか?
- 今の使い方は、使い始めたころと比べて何か変わりましたか?
初回利用と使い始め
登録時のコンバージョンや初期離脱を調べるのに向いています。回答者の初回の記憶はあいまいになるため、直近30日以内に使い始めた人に話を聞くのが望ましいです(条件は例。プロダクトのサイクルに合わせて調整してください)。
- 【プロダクト名】をどうやって知ったか覚えていますか?
- そのとき、なぜ試してみようと思ったのですか?
- 初めて開いたとき、最初に何をしましたか?
- 登録や設定の途中で、迷ったり手が止まったりしたステップはありましたか?
- 初めて使い終わったとき、どんな印象を持ちましたか?
- 使い始めてから使いこなせるようになったと感じるまで、どのくらいかかりましたか?その間に何がありましたか?
- 使い始めのころ、人に聞く、チュートリアルを検索する、説明を読むなど、何か助けを求めたことはありますか?
- 思っていたのと違うと感じた瞬間はありましたか?
- 新しく入った同僚に使い方を教えるとしたら、どのステップから教えますか?
離脱と利用停止
利用をやめた人に聞くときは、製品そのものより先に生活や仕事の変化を聞きます。いきなりやめた理由を言わせるのは避けます。
- 最後に【プロダクト名】を使ったのは、だいたいいつごろですか?
- 振り返ってみて、その時期、お仕事や生活に何か変化はありましたか?
- 使う頻度が減り始めたのは、いつごろからですか?
- 使うのをやめる前に、乗り換えを考えるきっかけになった出来事はありましたか?
- 使わなくなってから、もともとそれでやっていたことは、今どうしていますか?
- 今のやり方に切り替えてから、便利になったところと、かえって面倒になったところはどこですか?
- 使うのをやめると決めたとき、誰かに相談しましたか?
- 使うのをやめてから、また開いたことはありますか?それは何のためでしたか?
- その後、それを思い出したことはありましたか?そのとき何をしていましたか?
機能とニーズ
欲しい機能を直接聞かないでください。どこでつまずいたか、どんな回避策を使ったかを聞けば、ニーズは経緯の中から自然に浮かび上がってきます。
- 【プロダクト名】で【タスク】をするとき、どのステップに一番時間がかかりますか?
- これができたらいいのにと思ったことで、結局別の方法で解決するしかなかったことはありますか?そのときはどう解決しましたか?
- それに合わせるために、自分なりに工夫した回避策はありますか?
- ある機能に問題が起きて、用事に支障が出たことはありますか?
- 最近、データをエクスポートしたりコピーしたりして外に持ち出したときのことを教えてください。その後、何に使いましたか?
- いちばんよく使っている機能は、どんなことを解決してくれていますか?
- 機能を3つだけ残せるとしたら、どの3つを残しますか?なぜその3つなのですか?
- 私たちや他の人に何か提案したことはありますか?そのとき何を提案しましたか?
- おっしゃったそのニーズには、今どのくらいの頻度で出くわしますか?
- このことがずっと解決できないとしたら、どのくらい影響がありますか?最近ぶつかったときのことを話してください。
コンセプトと新製品
まず回答者にコンセプトの説明を見せ、この一連の質問で、どう理解したか、使いそうかを確かめます。最初に好きかどうかを聞かないでください。
- この説明を読んで、これは何のためのものだと思いましたか?ご自身の言葉で教えてください。
- よくわからなかったところはありますか?
- どんな人にいちばん向いていると思いますか?
- これを見て、すでに使っているどんなものを連想しますか?
- 今のやり方と比べて、どこが同じで、どこが違いますか?
- もし明日から使えるとしたら、まず何に使いますか?
- 何か不安に感じた点はありましたか?
- これを使えるようになるには、まずどんな準備や変化が必要だと思いますか?
- この紹介文の中で、一番響いた一文はどれですか?削ってもいいと思う一文はどれですか?
価格と支払い
インタビューで価格について話すときは、回答者がそのお金をどう捉えているか、これまでどうお金を使ってきたかを知ることが中心です。具体的な価格帯の算出は、Van Westendorp や Gabor-Granger のような定量的手法に任せます。
- 今、【分野】に毎月だいたいいくら使っていますか?何に使っていますか?
- 前回、似たような製品やサービスにお金を払ったときは、どんな状況でしたか?
- お金を払う前に、どんな選択肢と比べましたか?
- 【プロダクト名】の今の価格を見て、最初にどう思いましたか?
- この価格のうち、どの部分は払う価値があり、どの部分はあまり価値がないと思いますか?
- お支払いはご自身で決めましたか?それとも誰かの承認や経費精算が必要でしたか?
- 更新や引き落としで、意外に感じたことはありますか?
- このお金が使う価値のあるものだったかどうか、人にどう説明しますか?
- どんな場合に、もっと安い方法や無料の方法に乗り換えようと思いますか?以前そうしたことはありますか?
購入の意思決定
実際の購入を1回、時系列に沿って振り返ってもらい、最初に考えが浮かんだところから聞いていきます。考え方は Jobs to be Done のインタビューでよく使われるタイムラインの聞き方に近いものです。
- 【プロダクト名】を買うと決めるまでの経緯を、最初から話していただけますか?そもそもこの種の製品を探し始めたきっかけは何でしたか?
- そのとき、どこで情報を調べましたか?誰かに聞きましたか?
- 最後まで比較に残ったのは何社でしたか?それぞれどうやって外していきましたか?
- 買うのをやめかけた瞬間はありましたか?
- 最終的に決め手になったのは何でしたか?
- 買う前に心配していたことはありましたか?その心配は、その後どうなりましたか?
- あなた以外に、この決定に関わった人はいますか?その人たちは何を気にしていましたか?
- 探し始めてから最終的に買うまで、どのくらいの時間がかかりましたか?
- 今振り返ってみて、この買い物は当時の期待どおりでしたか?
満足度と推奨
NPS や満足度アンケートのあとの深掘りに向いています。点数は態度を示すだけなので、この一連の質問で点数の背後にある具体的な体験を見つけます。
- さきほど【点数】点をつけていただきましたが、主な理由は何ですか?
- あと1点上げるには、何が必要ですか?
- 最近、満足できた利用体験はどんなものでしたか?
- 最近、がっかりしたのはどんなことでしたか?
- 【プロダクト名】のことを誰かに話したことはありますか?そのときどう話しましたか?
- 人に勧めることもできたのに、結局勧めなかったことはありますか?それはどんな状況でしたか?
- 友人に使うべきかどうか聞かれたら、どんな点に気をつけるよう伝えますか?
- これまで使った同じような製品と比べて、あなたの中ではどのあたりに位置づけられますか?
- 今の気持ちは、半年前と比べて何か変わりましたか?何がその変化をもたらしましたか?
ブランドと広告
ブランドについての質問は、社交辞令的な答えが返ってきがちです。どこで見かけたか、何を覚えているかを多めに聞き、好きかどうかはあまり聞かないようにします。
- 【ブランド名】と聞いて、最初に頭に浮かぶのは何ですか?
- このブランドを最初に見たり聞いたりしたのはどこでしたか?
- もしそれが人だったら、どんな人だと思いますか?
- あなたから見て、【競合名】との一番大きな違いは何ですか?
- 最近、その広告やコンテンツを見かけたことはありますか?どんな内容だったか覚えていますか?
- この広告を見て、何を伝えようとしていると思いましたか?
- 広告の中で、自分に関係があると感じた部分、あるいは関係ないと感じた部分はありましたか?
- 周りの人はこのブランドをどう評価していますか?
締めくくり
締めくくりの質問は、それまでに聞き漏らした内容を補ってくれることがよくあります。少なくとも2〜3分は残し、慌ただしく終わらせないようにします。
- 今日お話しいただいたことの中で、ご自身にとって一番大事なのはどれですか?
- 私が聞くべきなのに聞いていなかったことは、何かありますか?
- このプロダクトを作っているチームに直接ひとこと言えるとしたら、何を伝えますか?
- このことについて違う見方をしていて、私たちが話を聞くべき人は他に誰かいると思いますか?
- 今日お話ししたことを振り返って、訂正したいことや付け加えたいことはありますか?
- 今後また新しい案ができたら、見ていただけますか?
- 今日の質問の中で、不快に感じたり答えにくかったりしたものはありましたか?
- 最後に、私たちに何か聞いてみたいことはありますか?
よく使う深掘り
メインの質問は話題を切り出すためのもので、情報の多くは深掘りから得られます。以下の深掘りはどのシーンでも使え、漠然とした回答を具体的な1回の体験に落とし込むためのものです。
- 「【回答者の言葉】」とおっしゃいましたが、具体的にはどういうことですか?
- それは何日のことですか?そのときどこにいましたか?
- それから、どうなりましたか?
- そのとき、どうしましたか?
- そのときの結果はどうでしたか?
- こういうことは、1か月にだいたい何回くらいありますか?
- そのとき、周りに誰かいましたか?その人たちはどんな反応でしたか?
- そのやり方はどこで覚えましたか?
- もしそれができなかったら、どうなりますか?
- 今お話しいただいたその回は、いつもとどこが違いましたか?
以下は、メインの質問と深掘りをどう組み合わせるかを示す一例です。
例では、回答者がメモアプリに別に記録をつけていました。こうした回避策は、欲しい機能を直接答えてもらうよりも価値があることが多く、さらに深掘りする価値があります。
よくある間違い
- 1つのシーンの質問をすべてそのまま使う:インタビューが1問ずつ読み上げるだけになり、回答者は浅く答えるしかなくなります。リサーチで下す意思決定に合わせて質問を選び、メインの質問は10個以内にします。
- 書き換えずにそのまま使う:【】が置き換えられていなかったり、言葉が書き言葉すぎたりすると、回答者はまず意味を推し量らなければなりません。相手の言葉づかいに合わせて書き換え、事前に一度試しに聞いてみます。
- 質問集をアンケートとして配る:これらの質問は深掘りしてこそ価値があり、記入式の回答では1〜2文しか返ってきません。規模のデータが必要な場合は、別にアンケートを作ります。
- メインの質問だけで深掘りしない:得られるのは要約と評価ばかりになります。メインの質問ごとに深掘りを2〜3個用意し、答えが漠然としていたら直近の1回について聞きます。
- シーンの順序が逆になっている:冒頭からいきなり価格や利用停止の理由を聞くと、回答者は身構えてしまいます。まずウォームアップと利用の流れの振り返りを行い、それからデリケートな話題に移ります。
- 異なる層に同じインタビューガイドを使う:新規ユーザーは利用停止についての質問に答えられず、離脱ユーザーは使い始めのころを思い出しにくいものです。回答者の条件に合わせて、該当するシーンを選びます。
heari での進め方
heari では、ビジネス上の問いを入力すると、AI がリサーチプランとインタビューガイドを作成し、リサーチ責任者はこのページの質問集を参考に差し替えたり書き換えたりできます。インタビューは AI がテキストまたは音声で同時に行い、回答に応じて自動で深掘りします。最近利用をやめたユーザーなど特定の層を探したい場合は、Agentic Engine の行動データで回答者を抽出できます。インサイトレポートの各結論には発言の原文と反例が添えられ、人数が明記されています。
よくある質問
ユーザーインタビューでは、質問をいくつ用意すべきですか?
30分前後のインタビューなら、メインの質問はふつう8〜10個以内にとどめ、残りの時間は深掘りに充てます。質問を用意しすぎると、モデレーターは先を急ぎがちになり、回答者は短い要約的な答えしか返せなくなります。
インタビューの質問は、どう聞けば誘導にならないのですか?
誘導にならない質問は、答えを前提にせず、選択肢を示さず、評価を含む言葉を使いません。たとえば「この機能は使いにくいですか」ではなく「最近この機能を使ったのはどんなときでしたか」と聞き、経緯や感じたことを回答者自身に語ってもらいます。
質問集の質問は、そのままアンケートに使えますか?
ほとんどの場合、向いていません。質問集の質問はオープンクエスチョンで、深掘りしてはじめて具体的な体験が引き出せます。アンケートに入れても、1〜2文の回答しか返ってきません。規模を集計する必要がある場合は、まずインタビューで主な状況を見つけ、それにもとづいて選択式のアンケートを設計します。
インタビューの質問は、どんな順番で聞けばよいですか?
一般的には、導入とウォームアップ、背景と利用の流れ、具体的な課題とニーズ、価格や利用停止などデリケートな話題、締めくくりの順に進めます。まず回答者がよく知っている体験を話してもらい、信頼関係ができてから、態度表明やお金に関わる質問に移ります。

