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よいインタビューガイドとは、ひとつのビジネス上の課題を 3〜5 個のリサーチクエスチョンに分解し、それぞれを回答者が自分の経験から答えられる具体的な質問に落とし込み、導入・ウォームアップ・主要トピック・深掘りの方向・クロージングの 5 段階で順番と時間を決めたものです。この記事を読めば、45 分程度のインタビューガイドを手順どおりに作成し、必須の質問と省略できる質問を区別し、本番の前にリハーサルで質問を磨けるようになります。
ステップ 1:ビジネス上の課題からリサーチクエスチョンへ、そしてインタビューの質問へ
ガイドがうまく書けない原因の多くは、ビジネス上の課題をそのまま回答者に聞いてしまうことです。ビジネス上の課題とは、たとえば「新しい会員プランを出すべきか」のような、チームが下すべき判断です。回答者はこうした問いに答えられませんし、あなたの代わりに答えるべきでもありません。その間には 2 つの段階が必要です。
- ビジネス上の課題を書く:このリサーチが終わったあと、チームは何を決めるのか。書くのはひとつだけです。書けないなら、まだインタビューをする段階ではありません。
- リサーチクエスチョンに分解する:その判断を下すために、チームに足りない理解は何か。通常は 3〜5 個です。例:「ユーザーは今このニーズをどう解決しているか」「今のやり方にどんなコストを払っているか」「どんなときにやり方を切り替えるか」。リサーチクエスチョンはチーム向けに書くもので、回答者に読み上げるものではありません。
- インタビューの質問に落とし込む:リサーチクエスチョン 1 つにつき、インタビューの質問を 2〜4 個用意します。インタビューの質問では、意見や予測ではなく、過去の具体的な経験を聞きます。
| レベル | サンプル | 誰に向けて書くか |
|---|---|---|
| ビジネス課題 | 月額会員を 1 回ごとの課金に変えるべきか | 意思決定者 |
| リサーチの問い | ユーザーは会員機能をどのくらいの頻度で、どんな場面で使っているか | リサーチチーム |
| インタビューの質問 | 最後に会員機能を使ったのはいつですか?そのとき何をしていましたか? | 回答者 |
インタビューの質問を確かめる方法:回答者が実際にあった出来事を思い出して答えられるかどうか。推測や採点を求める質問、あなたの代わりに判断させる質問は、いったん脇に置きます。
ステップ 2:5 段階構成でガイドを組み立てる
導入(約 3 分)
リサーチの目的、所要時間、録音の有無、記録の使い方を説明し、答えに正解や不正解はなく、試しているわけでもないと伝えます。この段階で、回答者があとで本音を話せるかどうかが決まります。
ウォームアップ(約 5 分)
仕事の内容や 1 日の過ごし方など、答えやすくテーマに関係のある背景の質問をします。目的はデータを集めることではなく、回答者に具体的なことを話すのに慣れてもらうことです。
主要トピック(約 25〜30 分)
リサーチクエスチョンごとに 2〜4 個のトピックのまとまりに分け、それぞれ最初にオープンな質問で直近の実際の経験を引き出し、その経験に沿って掘り下げていきます。トピックは広いものから狭いものへ並べます。まず全体的なやり方、次に具体的な場面、最後にあなたの製品やコンセプトへの意見を聞き、関心事を早い段階で明かさないようにします。
深掘りの方向(主要トピックの中に織り込む)
深掘りは一字一句決めておく必要はありませんが、トピックごとに聞き出したいことを書き出しておきます。たとえば「なぜそのやり方を選んだのか」「どれくらいの時間とお金がかかったか」「途中でやめたことはあるか」です。インタビュー中に回答者がこうした点に触れたら、そこで止まって少し多めに聞けばよいとわかります。
クロージング(約 5 分)
「私がお聞きしていないことで、大事だと思うことはほかにありますか」と尋ねると、思いがけない情報が得られることがよくあります。そのあとお礼を述べ、今後の流れと謝礼の受け取り方を説明します。
ステップ 3:必須と任意を分ける
インタビューの時間はいつも足りなくなります。ガイドを書き終えたら、各質問に必須か任意かを付けておきましょう。必須の質問はリサーチクエスチョンに直接対応するもので、毎回必ず聞きます。そうしないと、あとで回答者どうしを比較できません。任意の質問はあればよいもので、回答者の話が深まっていれば省き、浅ければ補うのに使います。
- 必須の質問は通常 8〜12 個に抑えます。それより多いと、まず聞き切れません。
- 各リサーチクエスチョンに少なくとも 1 つの必須の質問を対応させます。そうしないと、そのリサーチクエスチョンは調べなかったのと同じです。
- 任意の質問は各トピックのまとまりの最後に置くと、その場で取捨選択しやすくなります。
ステップ 4:時間を管理する
インタビューは 45〜60 分が一般的です。1 時間を超えると回答者が疲れやすくなり、回答が短くなります。トピックのまとまりごとに予定時間を書いておき、インタビュー中は進み具合に気を配りましょう。あるトピックが明らかに長引いたら、後半の任意の質問のうちどれを省くかをその場で決め、クロージングは削らないようにします。
経験則として、ガイドに書く予定時間の合計は全体の 8 割程度にとどめ、残りは深掘りや予想外の話題のために空けておきます。
ステップ 5:本番の前にリハーサルをする
ガイドは書き上げてすぐに使わないでください。同僚か実際の回答者に一度通しで試してもらい、質問しながらどこで詰まったかを記録します。リハーサルでは通常 3 種類の問題が見つかります。回答者が理解できない質問、内容が重複している質問、順番のせいで仮説を先に明かしてしまう質問です。
- 各質問は読み上げたときにひと息で言い切れるか。専門用語や社内用語が入っていないか。
- 1 つの文で 2 つのことを聞いていないか。
- 欲しい答えを暗示している質問はないか。
- 必須の質問を時間内に聞き切れるか。
- 導入で録音とプライバシーについてきちんと説明しているか。
- 【リサーチの背景】ビジネス上の課題:___;今回答えるリサーチクエスチョン:1. __ 2. __ 3. __
- 【回答者の条件】___(例:直近 30 日以内にある機能を 3 回以上使った人)
- 【導入 3 分】お時間をいただきありがとうございます。今日は__についての実際のご経験をうかがいたいと思います。時間は 45 分ほどです。正解や不正解はありませんので、実際にされたとおりにお話しください。録音させていただきますが、社内での整理にのみ使い、個人情報を公開することはありません。始めてもよろしいですか?
- 【ウォームアップ 5 分】まず、お仕事や普段の生活について簡単に教えていただけますか?
- 【ウォームアップ】__に関することには、普段どのくらいの頻度で関わりますか?
- 【主要トピック 1 10 分・必須】最後に__したのはいつですか?そのときの状況を最初から話していただけますか?
- 【深掘りの方向】そのときの目的は何か/どんな方法を使ったか/どれくらいの時間やお金がかかったか/途中で何がいちばん面倒だったか
- 【主要トピック 2 10 分・必須】それより前に、ほかのやり方を試したことはありますか?なぜ切り替えたのですか?
- 【深掘りの方向】切り替えたその瞬間に何があったか/迷ったことはあったか/誰が決定に関わったか
- 【主要トピック 3 8 分・必須】今のやり方でいちばん不満な点をひとことで言うと何ですか?具体的な例をひとつ挙げていただけますか?
- 【任意】この問題が起きなかったときはありましたか?そのときは普段と何が違いましたか?
- 【任意】このことを誰かに話すことはありますか?普段どんなふうに話しますか?
- 【クロージング 5 分】私がお聞きしていないことで、大事だと思うことはほかにありますか?
- 【クロージング】今日はここまでです。ありがとうございました。謝礼は__日以内に__でお送りします。
よくある間違い
- ビジネス上の課題を回答者にそのまま聞く(例:「値上げすべきだと思いますか」):回答者は推測するしかありません。代わりに、似た製品にお金を払った過去の経験を聞きましょう。
- ガイドをアンケートのように書き、30 個以上の質問を順に読み上げる:インタビューが記入作業になってしまいます。必須の質問は 8〜12 個に絞り、残りは深掘りで広げましょう。
- いきなり製品やコンセプトを見せる:回答者はあなたの案を中心に話すようになります。まず今どうしているかを聞き、案は最後に見せましょう。
- 質問だけ書いて時間を書かない:残り 10 分になって主要トピックが終わっていないことに気づきます。段階ごとに時間を書き、余裕を残しておきましょう。
- リハーサルなしで本番に臨む:最初の本番インタビューがテストになってしまいます。まず同僚か回答者 1 人に試してもらいましょう。
heari での進め方
heari にビジネス上の課題を入力すると、AI がまずリサーチプランとリサーチクエスチョンを導き、導入・ウォームアップ・主要トピック・深掘りの方向・クロージングを含むインタビューガイドを作成し、必須と任意を明記します。リサーチ責任者はガイドを 1 項目ずつ確認・修正でき、確定後は AI がリアルタイムでインタビューを行い、回答に応じて深掘りします。複数のインタビューを同時に進められ、必要に応じて傍聴したり、無効なサンプルを除外したりできます。
よくある質問
ユーザーインタビューのガイドには、いくつの質問を入れるべきですか?
45〜60 分のインタビューなら、必須の質問は通常 8〜12 個に抑え、任意の質問をいくつか用意しておきます。質問が多すぎると、インタビューがアンケートを 1 問ずつ読み上げるだけになり、深掘りする時間がなくなります。インタビューで深い情報が得られるのは、まさにその深掘りの部分です。
インタビューガイドは、毎回一字一句そのとおりに聞く必要がありますか?
その必要はありません。必須の質問は、回答者どうしを比較できるよう、毎回趣旨を漏らさず聞く必要があります。言い回しや順番は会話の流れに合わせて調整してかまいません。任意の質問と深掘りは、その場の状況に応じて自由に取捨選択します。
リサーチクエスチョンとインタビューの質問はどう違いますか?
リサーチクエスチョンはチームが明らかにしたいことで、リサーチチーム向けに書きます。たとえば「ユーザーはなぜ今のツールをやめたのか」です。インタビューの質問は回答者に読み上げるもので、具体的な過去の経験を聞きます。たとえば「最後にあるツールを使うのをやめたのはいつですか。そのとき何がありましたか」です。
インタビューは何回やれば十分ですか?
対象者の違いがどれだけ大きいかによります。Guest、Bunce と Johnson(2006)の研究では、比較的均質な対象者の場合、約 12 回のインタビューで新しいテーマはほとんど出なくなることがわかっています。対象者がいくつかのタイプに分かれる場合は、それぞれのタイプで十分な回数を確保してください。
リハーサルのインタビューには、どんな人を選べばよいですか?
理想はスクリーニング条件に合う実際の回答者です。見つからない場合は、プロジェクトをよく知らない同僚に答えてもらってもかまいません。大事なのは相手があなたの仮説を知らないことです。そうすれば、質問がわかりにくい、順番が答えを暗示している、といった問題が見つかります。

