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ユーザーインタビューで使える 8 つの深掘りのテクニック

ユーザーインタビューで本当に価値のある情報の多くは、深掘りから得られます。この記事では 8 つの深掘りのテクニックを紹介し、それぞれにそのまま使える深掘りの質問例と短い実例を示します。深掘りの質問リストとよくある間違いも付けています。

6 分で読めます2026-10-24 更新

目次

深掘りの目的は、回答者の漠然とした意見を、実際にあった具体的な出来事に引き戻し、そのときの経緯、理由、気持ちを明らかにすることです。何を聞くかはインタビューガイドが決め、どこまで深く聞けるかは深掘りが決めます。以下の 8 つのテクニックは、インタビューでいちばんよく出会う状況をカバーしています。答えが漠然としている、結論だけで理由を言わない、話が前後で食い違う、回答者がひとことで止まってしまう、といった状況です。テクニックごとにそのまま使える質問例と短い実例を示しているので、読み終えたら次のインタビューですぐに使えます。

いつ深掘りするか

すべての回答を深掘りする必要はありません。次のようなサインが出たら、止まってもう一言聞くと、たいてい得るものが大きくなります。

  • 回答者が「普段は」「よく」「みんな」のような一般化した言葉を使った。
  • 回答者が「ちょっと面倒」「まあまあいい」のような評価を口にしたが、具体的にどこなのかは言っていない。
  • 回答者の口調、表情、言葉づかいが急に変わった。
  • 回答者の話が、前に話した内容や、すでにわかっている行動データと合わない。
  • 回答者が、予想していなかったやり方、ツール、人物に触れた。

8 つの深掘りのテクニック

1. 具体的な直近の 1 回を聞く

自分の習慣についての一般化した説明は不正確なことが多く、直近の具体的な経験の記憶のほうがずっと信頼できます。一般化した話が出たら、直近の 1 回に話を戻しましょう。

  • 質問例:おっしゃったような状況が最後に起きたのはいつですか?
  • 例:回答者は「買い物はたいてい週末です」と言いましたが、深掘りすると、先週は週末に休日出勤があったため、実際には水曜の仕事帰りについでに買っていたことがわかりました。

2. 時系列を聞く

回答者に起きた順番どおりに話してもらうと、本人が意識していなかったステップが出てきますし、どのステップでつまずいたのかもわかります。

  • 質問例:それをしようと思ったところから、そのあと何が順に起きましたか?
  • 例:経費精算の流れを聞いたところ、回答者は順を追って話すなかで初めて、申請の前にまずグループチャットで経理に確認していると話しました。書式のバージョンがよく変わるからです。

3. 言い換えて確認する

相手の言いたいことを自分の言葉で言い直し、違っていれば直してもらいます。誤解を防げるうえ、回答者がより正確な言い方で補足してくれることもよくあります。言い換えるときに自分の解釈を加えないようにしましょう。

  • 質問例:私はこう理解しましたが……、合っていますか?抜けていることはありませんか?
  • 例:リサーチャーが「高いと感じたから更新しなかったのですね」と言い換えると、回答者は「高いからではなく、その月はほとんど使っていなかったからです」と訂正しました。

4. 比較を聞く

ひとつのものを単独で評価するのは難しくても、別のものと並べて比べると違いが具体的になります。以前のやり方と比べてもよいですし、ほかの製品と比べてもかまいません。

  • 質問例:以前使っていた方法と比べて、今回は何が違いましたか?
  • 例:回答者は新しいツールが「少し使いやすい」と言いましたが、比較して聞いてみて初めて、毎回ログインし直さなくてよいからだと話してくれました。

5. 感情の背景にある理由を聞く

回答者が感情を見せるところは、たいてい本当に気にかけているところです。「怒っていた」とだけ記録せず、何がそう感じさせたのかを聞きましょう。

  • 質問例:さきほど少しわずらわしいとおっしゃいましたが、具体的にどの瞬間にそう感じましたか?
  • 例:回答者は返金に「腹が立った」と言いましたが、深掘りすると、返金が遅かったからではなく、サポート担当に同じ状況を 3 回も説明させられたからだとわかりました。

6. 沈黙して待つ

回答者がひとこと話し終えても、すぐに次の質問に移らず、3〜5 秒静かに待ちます。多くの人は自分から一言付け加え、その一言は最初の答えより本音に近いことがよくあります。待つあいだは、うなずいたり相手を見たりして、聞いていることを示しましょう。

  • 質問例:うーん……(間を置いて何も言わず、相手が続けるのを待つ)
  • 例:回答者が「まあ、そんなものですね」と言ったあと、リサーチャーは何も言わずに待ちました。数秒後、回答者は「実は先月、もう少しで使うのをやめるところでした」と付け加えました。

7. 例外を聞く

回答者が話すのはいつもの状況です。例外の場面には、満たされていないニーズが隠れていたり、最初の見立てを覆す材料があったりします。

  • 質問例:そうではなかったときはありますか?そのときは何がありましたか?
  • 例:回答者は毎回スマホで注文すると言いましたが、例外を聞くと、金額の大きい注文では請求書の情報を確認するため必ずパソコンに切り替えていることがわかりました。

8. 「もし……だったら」で境界を聞く

仮定の質問は行動の予測には使えませんが、境界を探るのには使えます。ある条件がどこまで変わると回答者のやり方が変わるのかを見るのです。聞いたあとは必ず現実に話を戻し、過去に近い状況があったかを聞きましょう。

  • 質問例:もしこのステップにあと 10 分かかるとしたら、それでも同じようにしますか?以前に似たような状況はありましたか?
  • 例:回答者は少し長く待つのは構わないと言いましたが、過去の経験を深掘りすると、5 分以上並ぶときはほとんど帰ってしまうと認めました。

例:続けて深掘りした会話

AI普段はどうやって家計簿をつけていますか?
回答者たいていスマホのアプリでつけています。
AI最後に家計簿をつけたのはいつですか?
回答者うーん……2 週間くらい前だったと思います。
AI2 週間前のそのときは、どんな状況でしたか?
回答者その日は出費が多かったので、何に使ったのか確かめたかったんです。普段は正直、つけるのが面倒で。
AIつけるのが面倒とのことですが、具体的にどのステップでつけたくなくなるのですか?
回答者1 件ごとにカテゴリを選ばないといけなくて、選ぶのが面倒なんです。それでまとめてつけるようになって、たまると忘れてしまいます。

この会話では、具体的な直近の 1 回を聞くテクニックと、感情の背景にある理由を聞くテクニックを順に使っています。最初の答えは「アプリでつけています」でした。深掘りしなければ、習慣的に家計簿をつけているユーザーとして記録されていたでしょう。3 回深掘りして初めて実態が見えました。家計簿をつけるのはたまにだけで、カテゴリを選ぶ手間がやめてしまう主な原因だったのです。

深掘りの質問リスト
  1. いちばん最近の 1 回について話していただけますか?だいたい何日ごろでしたか?
  2. そのときは、どうやって始めたのですか?それからどうなりましたか?
  3. 「よく」とおっしゃいましたが、どのくらいの頻度ですか?
  4. いったん私の言葉でまとめてみますので、合っているか教えてください:……
  5. 以前のやり方と比べて、何が変わりましたか?
  6. ○○と比べて、なぜこちらを選んだのですか?
  7. 何がそう感じさせたのでしょうか?
  8. そのとき、心の中ではどう思っていましたか?
  9. (3〜5 秒、何も言わずに間を置く)
  10. ほかにはありますか?
  11. 例外だったときはありますか?
  12. どんなときなら、そうしませんか?
  13. もし○○の条件が変わったら、どうしますか?以前にそういうことはありましたか?
  14. 例を挙げていただけますか?
  15. このことで、あなたにとっていちばん面倒なのはどのステップですか?

1 つの回答への深掘りは 3 段階までにします。それ以上続けると、回答者は問い詰められているように感じやすくなります。1 段階掘ったら、いったん気軽な話題に移り、少ししてから戻ってきてもかまいません。

よくある間違い

  • 深掘りで選択肢を示す(例:「高いからですか、それとも使いにくいからですか」):回答者はあなたが示した選択肢の中から選んでしまいます。「どんな理由ですか」と聞き、本人の言葉で話してもらいましょう。
  • 「なぜ」を続けて問い詰める:尋問のような口調になり、回答者は理由を探し始めます。「そのとき何がありましたか」のように経緯を聞く言い方に変えましょう。
  • 言い換えのときに自分の解釈をこっそり加える:回答者は礼儀として同意してしまいます。相手が話した内容だけを言い換えましょう。
  • 沈黙が怖くて、相手が止まるとすぐに話し出す:補足を聞く機会を逃してしまいます。まず数秒待ちましょう。
  • 仮定の質問をしてすぐに結論として記録する:仮定の質問への答えは実際の行動を表しません。過去に似た状況があったかを続けて聞きましょう。

heari での進め方

heari の AI リアルタイムインタビューは、回答者の発言ごとに深掘りするかどうかを判断します。一般化した言葉や評価の言葉、前後の矛盾が出てきたら、直近の具体的な経験に話を戻して聞き続けます。テキストでも音声でも使え、複数のインタビューを同時に進められます。リサーチ責任者はガイドのトピックごとに深掘りの方向を書いておけ、インタビュー中は傍聴もできます。作成されるインサイトレポートでは、どの結論にも回答者の発言の原文と反例が付きます。

よくある質問

ユーザーインタビューの深掘りとガイドの質問はどう違いますか?

ガイドの質問は事前に書いておくもので、どのインタビューでも同じトピックを扱えるようにします。深掘りは回答者の答えに応じてその場で行うもので、漠然とした答えを具体的にし、理由をはっきりさせるために使います。インタビューの深さは、主に深掘りから生まれます。

深掘りで「なぜ」と聞いてもよいですか?

使えますが、続けて使うのは避けたほうがよいでしょう。「なぜ」を何度も重ねると、回答者は問い詰められているように感じ、理由をつくり始めます。それよりも経緯を聞くほうが有効です。たとえば「そのとき何がありましたか」「どの瞬間にそう決めたのですか」です。

インタビュー中に回答者が黙ってしまったら、どうすればよいですか?

すぐに質問を変えたり、代わりに答えたりせず、3〜5 秒ほど静かに待ちます。沈黙はたいてい、回答者が思い出したり言葉を整理したりしている時間です。待ったあとに出てくる補足のほうが価値のあることが多いものです。明らかに質問が伝わっていない場合は、言い方を変えて聞き直します。

仮定の質問は、インタビューではまったく使えないのですか?

いいえ。仮定の質問で、ユーザーが買うか、使うかを予測することはできません。ただ、境界を探るのには使えます。条件がどこまで変わるとユーザーのやり方が変わるのかを見るのです。聞いたあとは、過去に似た状況があったかを続けて聞き、実際の経験で確かめます。

ご自身の問いで、トライアル調査を

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